熊本県などでの一連の地震による死者は44人と報道されています。
沼津市の地震津波の第4次被害想定では、市内の想定死者数は、レベル1地震(100年に1回の発生頻度)で津波約3800人、建物倒壊が約900人、レベル2(数千年に1回の大地震)で津波約14800人、建物倒壊約1320人となっており、建物被害の死者数だけでも熊本地震に比べ人口密集度が高いため遥かに多くなっています。
建物崩壊による死者が出てしまうのは、耐震強度の劣る昭和56年以前の旧建築基準で建てられた木造住宅がまだまだ多いため。ほとんど例外なく崩壊し、中に閉じ込められて命を失うケースが多いのです。
沼津市内の昭和56年以前の住宅は約2万3千戸(全戸=7万9千戸)。このうち、耐震化が出来ているのは45%程度。補助金が一軒当り50万円(高齢者70万円)付きますが、この金額では済まないことから、今一歩進捗していません。
未耐震化で費用が十分ない場合でも出来る対策はあります。
まず、2階建は今回の熊本の映像の通り1階部分が潰れることが想定されます。このため、就寝は2階にすること、もし高齢者で階段の昇降ができず1階に就寝しなければならない場合は、その部屋だけでも補強材を充てるなどの対策が有効です。
また、家具の転倒により命を失うケースも多く、家具の固定を行うことは大変有効ですが、固定している世帯は約7割程度となっています。
沼津市では、高齢者・障がい者・母子家庭向に補助金を出して家具の固定を行う事業を進めています。
しかし、対象の14000世帯に対し、実施率は約30%。
いずれにしても、今回の熊本地震を教訓に、「自分の命は自分で守る」の精神の下、各家庭での更なる防災対策の実施をお願いすると共に、熊本地震で犠牲となられた皆様に哀悼の意を表します。