昨晩は中国革命の父と呼ばれる孫文を支えた梅屋庄吉さんの話を曾孫にあたる日比谷松本楼の小坂文乃さんの講演でお伺いしました。梅屋氏は大政奉還翌年の1868年長崎生まれ。当時はすでに上海との貿易も進み、東京よりも距離的に近く、交流も盛んになっていたことから、14歳の時に上海に渡り、現地で荷役(クーリエ)として働くなどしましたが、その際に当時の日本人が尊敬していたシナ人(中国人)を欧米列強の帝国主義勢力がバカにし、差別をし、搾取している様を目の当たりにし、憤りを強く感じ、アジア同胞の連携が必要であると感じたとのこと。その後、梅屋氏はシンガポールでスタートした映画ビジネスが成功し、富を得るようになったわけですが、この頃に孫文に出会い、まずは中国の革命による独立自尊国家を目指していた孫文を支援しようと決め、「君は兵を挙げよ、我は財を持って支援す」との盟約を結びました。孫文に支援した金額は、現在の価値で2兆円!梅屋氏は日本の映画ビジネスでも大成功、「日活」の創設者であります。
この大きな功績は中国でも評価されており、2008年に胡錦濤国家主席が来日した際には、梅屋氏と懇意となり縁戚関係にもなった日比谷松本楼を訪れ、梅屋庄吉の史料を熱心にご覧になられ、当時首相の福田氏と夕食会を催したそうです。
現在の日中関係は、ギクシャクしており、中国での反日運動の様子などを見ると心が痛みますが、このような近代中国の創世記における日本人、中国人の大局観と義の精神に基づいた史実に目を向け、東アジア共同体としての双方の協力・発展を築いていければと思います。