昨日は、近隣商工会議所で組織する東部青年維新塾の事業として、「東部広域連携・滞在型観光都市に向けて」と題した講演会&シンポジウムが行われました。
最初の約1時間では、講師に観光庁選定の観光カリスマであり、世界的な観光地であるスイス・ツェルマット観光局に所属、各種まちづくり関連団体や政府の顧問、大学講師も務める世界的に有名な山田桂一郎氏が目からウロコの熱い講演をして頂きました。
山田さんの講演内容は、まず最初に、観光施策を進める意義や目的を質され、特に、人口減少社会において消費が減退し、地域経済が疲弊していくなかで、地域経済戦略として観光を捉え、地域経済に与えるインパクトなどを数値目標として取り組むマクロ的な視点がまず必要であるとの認識を示されました。
このことは、よくありがちな戦略なき戦術に走る傾向を戒めるものであり、やみくもに例えばグリーンツーリズムを始めたり、金太郎アメのような観光施設整備や施策に走っても長期的な効果はないということ。
その上で、お客様が求める観光の目的や理由をマーケティングし、地域が一体となった(スポットではない)ライフスタイルの提案を目指すことが勝負の分かれ目とのことでした。
この「地域が一体」というのは、住民がその地域に誇りを持って生活しているか、普遍的な拘りがあるかということであり、こうしたことが商品や観光の裏付けとなり、さらには、ウソ物でない、リアリティのある本物の提供につながり、結果満足度を高め、リピーターを増やすもの。
多くの観光客が来ている市場周辺も、地元住民があまり行かない、身近に感じないではいけないわけです。
また、素晴らしい資産である「海」を市民が生活に取り入れていなければ、または親しんでいなかれば「海」を基軸にした観光施策は成り立たない(インパクトがない)のです。
自分もウィンドサーフィンでよく湘南海岸に行きましたが、町中を含め、普通にサーフボードを抱え、自転車に乗せていて、市民みんなが海を愛していると感じられる、あの雰囲気はとってもバリューの高いものであり、風が吹いていなくても、毎週のように行きたかったのはそのリアリティがあるからだったと思います。
講演終了後は、自分がファシリティターとして、多くの参加者の皆さんに観光を考え、自分たちが何が出来るか、何をすべきかを1時間ほど議論しました。マイケル・サンデルのようにはいきませんでしたが、それぞれ多くの気づきを持ち、静岡県東部での観光施策の重要性を認識頂けたと思います。
結果、近隣市町のメンバーも含め大変好評であったことから、山田先生をお呼びしての第二弾、第三弾のシンポジウムを行おうということになり、自分も嬉しい限りでした。
行政、首長側からはなかなか合併などの地域連携が進まない今、我々が行動し、まさに連携して伊豆半島も含めた観光戦略を推進していくべきです。(この手法での成功事例も山田先生がコーディネイトしています)