鹿児島市の後は、4時間近く電車に揺られて宮崎県の日向市に移動。ここでは、鉄道高架後の高架下および駅周辺の区画整理事業によるまちづくりの様子を視察。
日向市は宮崎市から電車で40分の距離、人口6万3千人ですが、従来より鉄道による南北分断が問題視され、連続立体交差化1.67kmを平成12年に高架事業に着手、平成20年に完成となりました。市民からの事業に対する反対はほとんどなし!
プラットホーム1本分ですので、沼津市の規模とは大分違いますが、事業費は78億円。国が半分、残りを県、市で負担。また、区画整理事業は17.6haを209億円をかけて推進。
日向市が素晴らしかったのは、これら事業のコンセプト創りを日向地区都市デザイン会議を設置し、著名な建築家の先生を中心に地元建築士を巻き込んでの勉強会を継続実施、一貫した景観づくりを可能にしたこと。これが行政主体だと、担当者がコロコロ変わり、ありきたりの整備になっていただろうとのコメント。
これにより、駅舎は県産材であるスギを多用、芸術的ですらありますし、市民のプライドもくすぐっているだろうなあ、と感じました。
駅前の広場はイベントなど市民活動に使える様に設計、常設のステージもデザインに組み込まれています。
また、景観重視の観点から、広間にはモニュメントなどは一切置かないことに。
周辺の区画整理では、街区ごとにエリアコンセプトを定め、店舗の外観や色、看板類なども地元内協議で決定、これにより、特徴のある街区が形成され、歩くのが楽しい雰囲気となっています。
日向市の規模でこれだけのことをわずか10年足らずで推進してきたことがとにかく立派!沼津は20年たっても高架化が全く進んでいない状況は、本当に機会損失であると、つくづく感じました。悔しい限りです!



