平成13年に「食のまちづくり条例」を全国で初めて制定し、17年に「食のまちづくり基本計画」を策定して、食のまちづくりを推進している福井県の小浜市を訪問してきました。
人口3万人ほどの小規模な市ですが、豊富な若狭湾の魚介類を始め、豊かな食材に恵まれています。
かつては、京都までの70kmの道程を朝採れた鯖に塩を振り、1昼夜かけて運び、その間に塩加減が絶妙となり美味しい塩サバとなって大好評であったことから、鯖街道と命名された起点のまちでもあります。
そのような食文化を更に高め、まちづくりや地域振興の柱に据えていこうということで、冒頭の行政による政策化が行われてきました。
実施計画の策定に当たり、特徴的なのが、市内12地区コミュニティにおいて、食を見据えながらの地域振興計画について各自協議を行い作成し、それをもとに市の全体計画を策定したこと。
その中で出てきたひとつのアイデアが食の基幹施設の設置であり、それを基に「御食国(みけつくに)若狭おばま食文化館」が建設されました。
ここでは、日本および若狭地方における旧来からの食文化を詳細に再現、解説され、これらをバックグラウンドとして、小浜市が食のまちづくりに取組んでいることが良く理解できます。また、市民の食育向上に向けた機能も有しており、オープンスタイルのキッズキッチンでは、家庭、学校ではなかなか出来ない食材や料理の様々な実習を全子ども対象に、幼児の段階から行っている点は素晴らしいことだと思います。
この他、これら食への取り組みで観光客の増加も顕著となり、平成12年度はどん底の70万人だったのが、現在では180万人以上に伸長していて、究極の目的である地域振興に確実に寄与しているとのことでした。
沼津市においても、豊富な食材と食に恵まれていますが、小浜市のような政策化を計り、その強みを活かして、人口減少にストップをかけるような魅力的なまちづくりを行っていきたいと思います!





