沼津市は2019年度から、全市立小中学校を文部科学省が制度化した「小中一貫型小学校・中学校」に移行する。既存の小中学校の枠組みを残しつつ、義務教育9年間で子どもを育てることに重点を置く。市教委によると、16年度の小中一貫教育制度化以降、全校での導入は静岡県内初。
14日の市議会文教産業委員会で説明した。導入するのは文科省が示す「併設型小学校・中学校」で、市内17中学校と校区内の小学校単位で移行する。
中学校長を統括役とし、小中合同の会議・研修や乗り入れ授業、小中間での人事異動を可能な範囲で行うほか、9年間のつながりを意識した教育課程の編成や目標設定に取り組む。18年度から全小中学校を研究校指定し、移行に備える。
市は14年度、新築公立校として県内初の施設一体型小中一貫校「静浦小中一貫学校」を開校。児童生徒の減少などを受け、学校統合を含む規模適正化・適正配置と全校での小中一貫教育実施の方針を示していた。
山田昭裕教育次長は「ソフト、ハードの仕組みを連携させ、より良い形で規模適正化も目指していく」と述べた。