静岡県は2018年度、障害者が福祉事業所で生産した授産製品の利用拡大に向け、職員に購入を促す「1人1品運動」の取り組みを強化している。利用拡大のアイデアを検討する若手職員のワーキンググループ(WG)を設置し、県庁内で授産製品を販売するフェアも開催している。
WGには各部局の若手約15人が参加する。7月の第1回会合では「おしゃれな感じが足りない」「授産品という呼び方を変えてみてはどうか」などと率直に意見を出し合った。来年3月までに複数回開催し、社会福祉法人や就労支援団体の職員とともに、イメージ戦略や宣伝方法の改善策を検討していく。
フェアは8月9、10の両日開き、県内約40の事業所が出店した。食品や雑貨など約140種類の授産製品を販売し、製品作りの実演もして仕事の丁寧さをPRした。2月にも開催する予定。
授産製品の利用拡大は障害者の工賃向上につながる。県の計画(18~20年度)では、平均工賃の目標額は月3万円。障害者が自立した生活を送るための必要額から障害年金の額を差し引いた金額とされるが、16年の平均工賃は月1万5159円で半額程度にとどまっているのが現状だ。
県障害者政策課の担当者は「授産製品の品質の良さが伝わらず、普段使えるものとしてのイメージが、いまひとつ広がっていない。まずは足元(県庁職員)から理解を深め、多くの県民の手に取ってもらえるように努めたい」と話した。