先日メルマガでは流しましたが、一部メディアにより取り上げられている沼津駅北口キラメッセ北側に進出計画がある競艇場外売場「ボートピア」の状況について、昨今問い合わせを頂きますのでレポートします。
ボートピアは、全国24の競艇場で行われているモーターボートレースの場外船券売場で、全国に30箇所。近隣では、競艇場は首都圏には多摩川、平和島、江戸川など多くありますが県内は浜名湖のみ、ボートピアは現在県内および神奈川県にはありません。
ボートピアの設置については、国土交通省の認可が必要ですが、その前提として、①地元の合意、②市長の同意、③議会の反対がないこと、とされています。設置に向けては、全国的に、公営ギャンブルという性格上、風紀や青少年対策の観点などから、反対運動が起こる傾向があります。
メリットとしては、設置に際して事業者が警察協議による交通安全対策、防犯、青少年対策をハード面を含めて行うのは当然として、勝舟投票券売上げ額の1.5%に相当する額が環境整備協力費として自治体に支払われ、福祉の充実や下水道や道路、公園などの事業費用に充てられています。ちなみに、平成18年9月より開業したボートピア習志野では、半年で9億1千万円が習志野市に納入。加えて、年間70万人(平日1日2000人)の来場者の経済効果と新規雇用があります。
現在の沼津での状況は、昨年来、事業者より地元自治会などに話があり、地元からは周辺に学校施設が多いことから、登下校時の安全配慮、防犯カメラ・街路灯の設置や、東海地震時の避難所としての使用など、12項目の要望書が提出されています(対応方針は業者回答済み)。一方で、地元有志からは6月に設置反対を求める陳情書が市に対して提出されています。
沼津市としては、建築基準法に則った建築確認などの責務もありますが、今のところ事業者側からは何の計画説明等なく、判断できる状況ではないようです。
いずれにしても、ポイントは、単視眼的な感情論先行での反対ではなく、本当に青少年や周辺住民への弊害が生ずる可能性があるのかなど、利害得失を明確にして判断することが必要です(特に議員は)。先般、たまたま広島県のボートピア呉を視察する機会がありましたが、専用ビル内にクローズドされており、ごく普通の中高年の皆さんが静かにレースに興じている様子
でした(写真ご参照)。但し、そこは呉駅に隣接していましたが、学校や住居などは周辺にない環境であったので、住民理解も得やすかったものと推察します。また、反対運動もあった中で開業した習志野市でも、開設後に特に問題となるような具体的な事例や苦情はほとんどないとのこと。
しかしながら、一方で、この沼津市への計画が立てられる3年前から、県内の駿東郡小山町須走地区(御殿場市に隣接)に既にボートピア建設計画が持ち上がり、地元、町長も同意され、警察協議も開始されて、国交省の認可申請に動き出しており、開設は間違いない見通しのようです。それならば、沼津への建設は事業的な意義は薄れてしまうでしょう。
さらに、当該地に隣接して、県が主導してのコンベンション機能や行政、ホテル、物販機能などを盛り込んだ複合施設を整備する計画も動き出しています。鉄道高架化を含めた沼津駅周辺整備事業の核となる地域だけに、最大限の土地利用を考えなければなりません。
まずは、地元の合意なくしては、この計画の実施はないものと考えますが、議員として更なる調査研究をしたいと思います。

