中村天風氏をご存知でしょうか?明治9年華族に生まれながら軍事探偵となり想像を絶する苦難をくぐり抜け、後に自らの死病(結核)を治すために欧米からインドへ。コロンビア大学で医学を学び、日本人初のヨガ直伝者に。帰国後、東京実業貯蔵銀行頭取、大日本製粉重役となるも、突如一切の地位を投げ打ち大道説法に転じました。天風会の会員で教えを受けた政治家、実業家は枚挙にいとまず、東郷元帥は、この人を東洋の哲人と呼んだという。若くして中国に渡り孫文とも親交があった。財界では松下幸之助氏もそのひとり。当時は長屋を三軒ぶち抜き10人くらいの徒弟工を使って電線を作る仕事をしていたそうです。
1968年の没後も財団法人天風会としてその教義を広く一般に伝えていますが、その公開講座に参加してきました。現理事長であり講演者だったのは、財務大臣など歴任された衆議院議員の尾身幸次氏(自民党)。尾身氏も通産省の高級官僚であった28歳の時に結核に倒れ、人生を悲観していた時に天風氏に巡り会い、ヨガをベースにした精神統一法、呼吸法、体操法を天風師から学び、それを実行する日々が続いたそうです。すると不思議なことが起き、よく眠れるようになった。医者は、さらに2年かかるといったが、どんどん快方に向い、とうとう6ヵ月で退院してしまったそうです。その後、天風先生の教えで培った強靱な精神力で政治家に挑戦。1983年(昭和58年)、ズブの新人、無所属、お金がない、地盤がないという中での総選挙で、定員3人中のトップ当選(群馬一区)。無所属新人で、しかもトップ当選は1953年(昭和28年)の福田元総理以来だったとのこと(以来連続8回当選)。話の中からも天風先生の教えに基づいた政治家としての信念の強さ、滅私奉公の姿を垣間見ることが出来、自分自身を再考させて頂く良い機会を頂きました。また、次回も参加します!