国内でも160人を超える感染者が見つかるなど、社会不安をあおっている新型インフルエンザ。関西では各種行事やイベントが取りやめになったり、経済活動に支障をきたす状況にまでなっています。今週土曜日は、沼津港での「水産祭・海人祭」ですが、各自がきちんとした予防を行いながら、多くの人で賑わうことを期待します。
(以下インフルエンザの参考情報[2009年5月9日/日本経済新聞 夕刊])
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Q 新型ウイルスの特徴は。
A 季節性インフルエンザの「Aソ連型」と同じ仲間の「H1N1型」ウイルスに分類される。豚や鳥、人など4種類のウイルスの混合型だとされる。各国の感染者の症状や被害の実態からみて、感染してもそれほど症状が重くなりにくいウイルスとの見方が有力だ。ただ、人が免疫を持たないウイルスなので、短期間に多数の人々が感染して大流行につながる可能性がある。
Q 主な症状は。
A 日本で冬場に流行する季節性インフルエンザのように、せきや発熱、体のだるさや痛みなどが表れることが多いとみられる。糖尿病や腎臓病など別の慢性疾患を抱える人、高齢者は症状が重くなる可能性がありとくに注意が必要だ。
Q 感染はどのように広がるのか。
A 主に、せきやくしゃみをしたときに出る飛沫(ひまつ)を通じて感染する。飛沫が飛ぶ距離は2メートル程度。このため感染者と面と向かって会話したりすると感染の恐れがある。ただし通常なら、はしかのように空気感染はしないと考えられており、電車で感染者と同じ車両に乗り合わせたからといってそれだけで感染することはない。
また、ウイルスに汚染されたドアのノブなどに触れたときにウイルスが手に付着し、その手で目鼻をこすることで接触感染することもある。
Q 予防法はあるのか。
A 接触感染を防ぐためにはせっけんを泡立ててしっかり手を洗う。食事と睡眠を十分にとって免疫力を高めることも大切だ。満員電車や人込みはなるべく避け、できれば不要不急の外出は取りやめた方がよい。外出時はマスクの着用を心がけることが望ましい。マスクはせきやくしゃみをした他人の飛沫を吸引するのを防ぐほか、自分の飛沫が飛び散るのも食い止められる。自分の身を感染から守るだけでなく、他人にうつさないための心がけが重要だ。
Q 感染した場合の治療法は。
A 季節性インフル治療薬のタミフルとリレンザは今回のウイルスにも有効とみられる。ワクチンは現時点で効果の期待できるものはなく、今回のウイルスを材料につくらなければならない。厚生労働省は海外から入手した原因ウイルスをもとに製造を開始する考え。ただし供給開始まで少なくとも数カ月はかかる見通しだ。