医師不足、一部休診、収支悪化の3重苦に陥っている藤枝市立病院の若手医師、看護士が病院改革に乗り出すという頼もしいニュース。このことの強みは、現場に精通し、顧客ともいえる患者たちの声を直に聞いていること、そして、医師の世界にありがちな封建的、旧態依然とした経営価値観に捕らわれない柔軟な発想が期待できることでしょう。硬直化した組織を再生するには、このような新しい手法が必要なことは議論の余地もないこと。彼らの勇気を称賛、今後の活躍に期待。沼津市立病院の再生に向けたヒントになるかもしれません。
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「経営改革、若手の力で 藤枝市立総合病院」2009/05/26 静岡新聞
「もう、幹部だけでは駄目」―。経営再建を急ぐ藤枝市立総合病院(駿河台、毛利博院長)の若手医師、看護師らが組織改革に立ち上がる。病院幹部も改革案を必ず採用することを既に約束。28日、北村正平市長と毛利院長のもとを訪れ、決意表明をする。行動を起こすのは10人で、平均年齢35歳。診療部(心臓呼吸器外科、整形外科)、看護部、診療技術部(リハビリテーション科、放射線科)、事務部(医事課、経営管理室、管理課)に所属する。女性も4人いる。チーム名は「病院改革・改善プロジェクト」。医師と看護師確保、経営状況と職場環境の改善、患者との信頼関係の構築をテーマに話し合い、11月をめどに結論を出す。
「従来のやり方にとらわれない提案をどんどんしてほしい。『自分が院長であれば何を行うか』との視点で」と理解を示す毛利院長。提案された方針は来年度予算に反映させる構えだ。同病院は、医師減少による一部診療の休止が相次ぎ、患者は激減。収支も悪化し、改革が急務とな中、“いけいけどんどん”の部下に懸けることになった。毛利院長ら幹部も、切ない現場の実情を住民に訴え始めており、病院が一体となった改革に発展する可能性もある。